912: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 19:52:44 ID:ZpeEtauyO
もう10年近く前、
大学に入学して数ヶ月間の出来事。

私子…身長・体型は普通。外見はちょい派手目。
鹿子…身長150cm前後ガリガリ。外見は地味。
人見知りが激しく、オドオドしていてまさに子鹿のよう。

学子…外見は派手、性格もややきつめ。学科のムードメーカー。
上記3人のいる学科は一学年60人程度。
資格取得学科のため、朝から夕方まで
授業が詰まっており、高校のような雰囲気だった。

A夫…私子との共通の友人(B夫)を通じて私子と友人に。
B夫…私子の高校時代からの友達。
上記2名は他学部。

大学に入学して直ぐに、好きなアーティストが同じ
という事から鹿子と仲良くなった。
鹿子は親が転勤族で、大学までに
様々な転校を経験しており、
それが原因で人見知りが激しいと言っていた。

なので、
「入学早々に私子と仲良くなれて嬉しい。
今までで一番心を開けらる。」
と言ってくれていた。
また、女子校出身で男に免疫がなく、
男嫌いだと言っていた。
実際、入学して1ヶ月間、鹿子は常に私子と行動し、
自分からは人に話しかけず話しかけられたら答える程度だった。

お節介な私子は、そんな鹿子が少しでも
たくさんの人と友達になれたら…
と思い、鹿子に友人のA夫、B夫を紹介した。

私子とB夫は高校時代に
一番仲良しだった友達同士だったので、
自然と私子・鹿子・A夫・B夫の4人で遊ぶ事が多くなった。

913: 912 投稿日:2009/10/21(水) 19:54:20 ID:ZpeEtauyO
そのうち、私子はA夫を好きになり、鹿子に相談。
すると鹿子は泣きながら言った。
「鹿子もA夫が好きなの。ずっと男嫌いだったのに、
初めて好きな人が出来た。
でも私子ちゃんは大事な友達だから、A夫くんを諦めるね。」
と。  私子はびっくりして
「好きな人が出来て良かったね!
私はまだ気になる程度だったから気にしないで!」
と答えた。

本当は十分好きだったけど、男嫌いの鹿子が
せっかく男を好きになったんだから、応援しようと思った。
自分を信頼してくれ、趣味の合う鹿子が
友人として大好きだったので、うまくいって欲しかった。

それからは4人で遊んでも、なるべくA夫と鹿子が
二人になれるようにしたり、鹿子の恋愛相談にも乗っていた。

そんなある日、ふと気付くと
鹿子以外の学科の人達が私子によそよそしくなっていた。

「最近鹿子達とばっかりつるんでたからかな?」
と思って流していると、
やがて鹿子も他の友人・学子と行動するようになった。

学子は性格がきつめで
学科のムードメーカーだったので、
学子にハブ気味にされ私子は孤立してしまった。
朝から夕方まで授業があり、
グループワークも多い中でハブられるのは辛かった。

女ばっかりの学科だったので、
結構陰湿な嫌がらせもされた。
あまりにも辛く、ゲッソリ痩せて胃も悪くした。
心配したB夫が相談に乗ってくれ、
後日B夫から衝撃の事実を聞かされた。

914: 912 投稿日:2009/10/21(水) 19:55:21 ID:ZpeEtauyO
私子の学科で以下の内容の噂が流れている。
・鹿子はA夫くんと付き合ってる。
 だけど私子ちゃんもA夫くんが好きだから邪魔をしている。
・鹿子と私子ちゃんの二人になると、
 私子ちゃんは鹿子をいじめている。
・こんな酷い目に会っている鹿子だけど、
 私子ちゃんが怖くて言いなりになっている。
 
それで学科の人達がよそよそしくなったのか…と納得。
でも何でそんな噂が!?
鹿子はA夫と付き合ってるのか!?となり、
とりあえず鹿子にファミレスで話を聞く事に。
B夫はA夫に話を聞いてから
ファミレスで合流する事にして、私子が先に向かった。

鹿子は勝手に学子を連れて来た。学子は怒り顔。
席に着くなり怒鳴られた。
学:「あんた鹿子いじめてるんだってね。サイテー!」
私:「いじめた覚えないよ。鹿子、私何かした?」
鹿:「…。」

私:「B夫から聞いたんだけど、今学科内で
私と鹿子の噂があるんだって。鹿子は知ってる?」
鹿:「…。」
学:「鹿子はねぇ、今までで一番仲良くなれた
と思ってたあんたにいじめられてとても傷付いてるんだよ!!
A夫君とのデートにも邪魔しに付いて来たらしいじゃない!!」


私:「ってかA夫と付き合ってたの?いつから?」
鹿:「話したくない、帰る…。」
学:「鹿子!!私がちゃんと守るから!
今日こそ私子にハッキリ言ってやる。
あんた、A夫君にしつこくメールしまくってるんだってね!
人の彼氏に手を出すとか馬鹿じゃないの?」


私:「??? 鹿子がそう言ってるの?」
鹿:「もう帰る…!!」
鹿子が席を立とうとすると、学子が制止した。
学:「ちゃんと私子に謝まらせるから座ってて。」

915: 912 投稿日:2009/10/21(水) 19:56:16 ID:ZpeEtauyO
そこに遅れてB夫到着。
B夫:「事の成り行きは聞いてる。
A夫に確認取ったけど、鹿子とは付き合ってないぞ。」

学:「はぁ?」
鹿:「…!」(ヤバい!っていう表情。鹿子は子鹿のようにプルプルしだす。)
私:「鹿子?」

鹿子は学子の手を振り解いて、
席を立とうとするが、B夫に阻まれた。
学子は、鹿子の様子に
構わずにまだ私を色々となじってきた。

学:「とにかくさ、鹿子が可哀想だから邪魔しないでくれる?」
私:「あの、デートの邪魔っていうのは誤解だよ。
いつもB夫もいて4人で遊んでるし。」
学:「いや、でも…」
鹿:「私は二人になりたかったもん!」

鹿子の態度に怒ったB夫が口を挟んだ。
B夫:「さっきのメールの件も
有り得ないから。私子、電話貸してみ?」
と私子のケータイを学子に見せる。

鹿:「ちょ、やめ…」
鹿子がケータイを奪おうとするがB夫にかわされ、
学子の目の前にケータイを叩き付ける。
学:「!!!」
※当時、学生ではケータイは少数派で
PHSがほとんどだった。
当時のケータイとPHSはメールのやり取りは出来ず、
私子からA夫のPHSへメールを送る事は出来なかった。

このメールの嘘がトドメとなって、
学子は誤解だと分かってくれた。
学:「鹿子さぁ、なんかおかしくない?」
鹿:「帰る…!!」
顔を真っ赤にして鹿子はファミレスを飛び出して行った。

917: 912 投稿日:2009/10/21(水) 19:57:31 ID:ZpeEtauyO
誤解が解けたところで、
更にB夫からショックな話をされた。


A夫から鹿子について相談されたと。
「鹿子は私子にいじめられている。
大親友にいじめられ、とても悲しんでいる。
(B夫は)昔から私子と友達なんだから、
B夫からいじめを止めるように言ってあげてくれ…」
と。

私子はあまりのショックに号泣。
「A夫は鹿子が好きなんだ」と分かった事もあるけど、
「鹿子は私を利用していたんだ」
という事が本当にショックだった。
号泣した私を見た学子は鹿子にキレだし、私に何度も謝ってくれた。

学子曰く、鹿子は
「私子からいじめられている。
学子ちゃんしか頼れない、助けて欲しい。」

と涙ながらに相談してきたそうな。
正義感が強い&気の強い学子は、
「いじめ」という言葉にカッとなり、鹿子の話を鵜呑みにしてしまった。

直接私子に言おうとすると、鹿子が
「後が怖いから」と言って止める。
なら鹿子をみんなで守ろう!
と学科に私子の噂を流したらしい。

ムードメーカーの学子によって噂は一気に広まり、
私子の派手目な格好もあって
学科のみんなは信じてしまったよう。
何より、子鹿のような鹿子が
泣きながら話すもんだから、信じちゃったみたい。

学子は鹿子を直接〆ようとしたが、
私は鹿子にもう関わりたくなかったので断った。
学子はその代わりに鹿子をハブるようになった。

学子のおかげで学科内の誤解も解け、
私子は普通の学校生活へ。
学科内での鹿子と私子の立場は入れ替わっていた。

920: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 19:59:45 ID:LoWQoq+g0
正義感が強いのにイジメを主導しちゃうんだなあ的な四円

921: 912 投稿日:2009/10/21(水) 20:00:33 ID:ZpeEtauyO
A夫は他学部のため、
学科内での出来事は知らず、鹿子と付き合い出した。
学科内で鹿子がハブられているのは
私子のせいだと信じていたため、B夫や私子と遊ぶ事もなくなった。

私子は信頼しきっていた
鹿子との件のショックが強く、鹿子を見たり
声を聞くと吐き気がしたり
泣きだしたりするようになってしまった。
そんな私を学子とB夫が支えてくれ、無事卒業。

B夫とは大学卒業まで付き合い、
就職を機に友達に戻った。
私はB夫の次に付き合った人と結婚し、子供もいて幸せ。
学子とは今もたまに遊んでる。

鹿子は様々な嘘がばれて以降、
オドオドした態度は無くなり、
周りに高圧的な態度を取るようになった。

それが学子の神経を逆撫でし、
4年間ハブられながらもちゃんと卒業した。
卒業後もA夫と続いているが、
A夫が定職に就かず結婚は未定らしい。

今思うとくだらない話なんだけど、
当時はいっぱいいっぱいだったなぁ。

先日A夫を見掛けて思い出したので投下しました。
箸休めにもならない話ですが、お付き合いありがとうございました。

923: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 20:07:28 ID:3lYNgat20
A夫を鹿子が引き受けてくれたのはむしろ良かったかも。
乙でした。

926: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 20:41:31 ID:kv3M5DK4O
乙!
おどおどは演技だったのかな?

927: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 20:53:34 ID:vVtcnpmG0
弱々しい態度を武器として使う人って、
演技とかも意識してないよ。

自分も大学のとき、
同じような噂を流されたことがある。
ものすごく嘘が巧みなんだよ、そういう人って。
いつか本人に返ってくるだろう。

ほんと乙。

928: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:00:55 ID:4sYlU9ma0
おどおどしている女の腹の底に
おどろおどろしいものが

929: 912 投稿日:2009/10/21(水) 21:08:43 ID:ZpeEtauyO
しえん&レスありがとうございます。

確かに学子は正義感とハブる行動や
片方の意見のみ尊重などは矛盾してますね(笑)

あの頃はまだまだみんな精神が
こどもだったから、暴走しやすかったのかも。
女ばっかりだったのも、ハブるのに拍車をかけたんだと思う。

鹿子は何が地なのかよく分かりません。
もしかしたら、演技派かも知れないし、
A夫を手に入れて強くなったのかも知れないし…。

930: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:15:42 ID:36T+cPtb0
ハブにするって、学子はすげぇ魔法使いだな
ハブは毒持ってて怖いから、俺なら子リスくらいにして欲しいぜ

932: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:29:10 ID:JebW7RbT0
>>912
女のいじめは陰湿だからな
乙でした。

925: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 20:19:39 ID:0uIiocwW0
片方しか話を聞かずにハブにするってひどいね。
ハブにした回りの人は謝ってきたのかな?

931: 912 投稿日:2009/10/21(水) 21:24:50 ID:ZpeEtauyO
>>925
ハブってた人は学子以外
ちゃんとは謝ってくれませんでした。
「学子から聞いたよ~、鹿子有り得ないよね!
私達鹿子と縁切るから~!」
みたいなのばっかり。

あの学科は資格を取るために、
同級生でもありライバルでもありだったので
皆ストレスの発散相手(ハブる人)が欲しかったのかな?

正直、鹿子の件以降は
全く女を信用していなかったので
「女なんてそんなもんだ」と気にしませんでした。
あれ以来女友達は作っていないし、作る気もない。

長々とすみませんでした、名無しに戻ります。

934: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:43:35 ID:8ZdhD5KV0
鹿子みたいな人間ってさー
利用できる人間の
母性本能をくすぐって庇護を受けて
のびのびと生きていくんだよね。

敵を作るとさらに、守られることも計算して。
離れるのはもっと利用できる人間を見つけた時。

転校ばっかりで
こういう生き方を身につけたんだろうね。
本当にお疲れさまでした。

935: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:51:15 ID:aUR3AbS+0
看護師の離職率の高さの理由がよくわかる内容だ。

936: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/21(水) 21:57:53 ID:xT350Zum0
母も看護師長になって赴任した先の最初の大仕事が
看護体制の見直しといじめ問題の解決だったしな…
母も女の友情は信用できないって言ってたわ