517: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/13(火) 02:33:21 ID:sci0B3GA0
当時俺20代前半 
彼女 みゆき。20代後半
当時は就職氷河期と呼ばれる時期で
就職活動時、皆荒れていた。

俺もそのときは彼女がいたのだが、
時間が合わない考え方の違いなどが
溝を深め大学卒業する前にはもう別れていた。

心機一転就職先でいい女捜すぞ!
などと息巻いていたのも最初だけ
職業柄見渡す限り男の園取引先も男男男!

当然出会いなどある訳も無く
配属された瞬間から先輩に
「で合コンはいつ開くんだ?」と聞かれる始末。。
 
そんな無残に飢えた男達の行き着く先は
当時流行り始めていた「出会い系サイト」だった。

今は出会い系なのか援助交際系なのか
さっぱり分からんが、当時はまだ
真剣に出会いを 求めている男女も多く、
そこからお付き合いを始める人もいることはいた。

そんな僅かな可能性に縋り付きたい
という惨めな男達を騙す女もいたが
その数々のトラップを乗り越え
彼女をゲットすることに男たちは燃えていた、そんな時代だった。

そんな中俺にコンタクトを取ってきた女性
それがみゆきだった。
俺たちは趣味も似ていて、
段々頻繁にメールをするようになり直アドも交換していた。
 
順調にメールのやり取りをして
1ヶ月が経ったころみゆきから
「そろそろ会って見たいな」というメールが来た。
俺は舞い上がった。
思わず携帯落とすほどww
事前にデートコースも考え色々調べ
逢う日を心待ちにしていた・・・このころはまだ純粋だった

518: 517 投稿日:2009/10/13(火) 02:34:03 ID:sci0B3GA0
会う当日、お互い顔を合わせたのは
初めてだったがそんなことも忘れる程
会話も弾み楽しい一時を過ごせた。

それからみゆきと俺は
週に1回程度会うようになり
1ヵ月後、体の出会いも済ませ、
俺はこれからのことを考えると毎日が楽しかった。


それから1ヶ月運命の日がやって来る。
みゆきからセミナーみたいなものに
誘われてるから一緒に行って欲しいとお願いされた。
 
みゆきは一人じゃ不安だから
と俺と一緒なら安心だからと・・・当然俺は
「まかしとけ俺が守ってやんよ!」と言った体で嬉々として付いていった。

そのセミナーは何だかよく分からないけど
自己啓発?セミナーだった。
俺は全く興味は無かったが、
みゆきの為だとそのセミナーを注意深く見守っていた。

と思っていたら
みゆきは両手を胸の前で組んで
目を輝かせながら講師の話を聞いていた。
しかも「凄いね!」とか
「これで俺君もきっと○△□☆よ!」等と
俺に話しかけてくるではないか!

あれ?これおかしくね?
みゆきこのセミナー初めてっぽくないよね?

これは・・・・やばい予感。。
全力で逃げろと脳が告げていたが
まだまだ若かった俺はここで逃げたら
彼女がいなくなる方が辛かった(心的にも肉体的にも)

「う、うんそうだね・・」等と適当に相槌を打って
みゆきは騙されているんだ!
と都合よく脳内変換し
どうやってここから救い出してあげようか、なんて馬鹿!当時の俺の馬鹿!

セミナーが終わり
皆最後に良く分からない
合言葉みたいな物を叫んで
出口でパンフレットやら何やらを貰っていた。
よく観察すると俺と同じような
置いてけぼりが結構な数いたと思う。

519: 517 投稿日:2009/10/13(火) 02:36:01 ID:sci0B3GA0
それから晩御飯を食べて
というよりみゆきの熱いトークを
近くのファミレスで聞いていた時、事件は起こった。

俺はご飯を食べながら空ろな目で
みゆきの背後をぼーっと見ていた
向こうから凄い勢いで歩いてくる男一人
まるでここを目指して歩いているかのように
と思ったら「みゆき!ここで何してるんだ!」とその男は叫んだ。
 
はっとした顔でみゆきは後ろを振り向く、
男はみゆきの肩をつかんで
「まだ止めてなかったのか!」と言った。
みゆきは「離して今大切な話してるんだから!」
俺は「俺が守らなければ」
とあさっての方向を向いた正義感でその男に言った
「乱暴は止めてください!」

「これは夫婦の問題です。
あなたには関係ない。
あなたまだ何も買ってませんよね?
だったら早く帰ったほうがいい。このセミナーは悪質ですよ」
「はい?ふうふ?
ご結婚されてるんですか?え?まじで?」
「はい・・・私も困ってまして
子供もいるのにこんなことに嵌ってしまって・・・」

「お、お子さんもおられるんですか?
え・・っと?え?」

すっかり混乱して
何が言いたいのか分からない俺
そっとみゆきを見ると
明らかに視線をそらした!こっこいつ・・・

「次やったら離婚だっていったよな!みゆき」
「良いもん!俺さんなら
私のこと分かってくれるもん!ね、俺さん」

「え・・・っと話が良く分からんのだが・・・」
「酷い!守るって言ってくれたじゃん!」
「いや・・だってそりゃ結婚」

「結婚とか関係ないじゃん
私のこと守ってくれるって言った!」

「いやいや結婚関係あるだろ流石に!」
「酷い!結婚してたら
好きになってくれて無かったの?
好きって言ったよね!
だから全て許したのに!私のこと騙したのね!」

「ちょ・・それはまずいだろ!」
「いい加減にしろ!!!」と旦那さん

520: 517 投稿日:2009/10/13(火) 02:36:43 ID:sci0B3GA0
「俺さん申し訳ないですが、帰って貰えませんか、
妻と何があったのか分かりませんが
あなたの責任じゃないと思いますから、後は夫婦の問題なので」
ときっぱり。
 
俺も何が何だか分からないけど
ここは逃げる所とあんまり当てにならない
俺の感が言っていたので
「申し訳ありませんがそうさせてもらいます」
と言いその場から退散した。

何だかんだと割と真面目に好きだった。
次の日会社に行っても元気の無い俺に
先輩は色々根掘り葉掘り聞いてきた。
 
どう考えても興味本位だが、
俺は吐き出したかったので茶化して話した。
先輩も茶化しながら慰めてくれた・・・

それから出会い系サイトも
見なくなり2週間ほど経った後
みゆきからメールが来た拒否してなかったな~
と思いつつ中身を見たら
「今度○月○日にセミナーがあります。
一緒にいこ?」

俺はみゆきを着拒にし静かに携帯を閉じた。
御清聴ありがとうございました。

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521: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/13(火) 02:44:28 ID:czkDXk9nO
>>517
真夜中に乙
旦那がまともで不幸中の幸いだったね
ふつうに素敵な女性と出会えることを祈ってるよ

522: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/13(火) 03:12:49 ID:WMXj5Oyj0
大変だったね・・・・・・
まあ、セミナーも不倫ももっとこじれて
洒落にならんところまで行くケースだってある
ドンマイケル

523: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/13(火) 03:15:33 ID:Xv/9k9zLO
慰謝料請求されなくてよかったな

524: 恋人は名無しさん 投稿日:2009/10/13(火) 04:47:30 ID:sci0B3GA0
>>523
ま、知らんかったので請求されたら流石に泣く